2001/9/11

2001/12/1

　

上の写真は、今年の９月１１日の夕方の空だ。

ようやく気持ちが落ち着いたので、この日のことについて書ける。

台風一過の夕焼けのすばらしい日だった。
早めに仕事が終わった僕は、次の日に使うNikonＤ１を車に積んで、いつもの帰り道であるお台場を夕方に通った。レインボウブリッジを渡りながら、「こんな台風が過ぎたときは空がドラマチックなんだよな」と思いながら。ロケでもよく使うお台場の夢の大橋へ向かった。

すばらしい夕焼けだった。
夢中で何枚もシャッターを切った。

その５時間後だった。

アメリカで飛行機が落ち、大きなビルが二つ、崩れ落ちた。

その日から呆然とした時が過ぎていった。

なにかこう、自分の中で確固たるものが無くなった、そんな気がした。地下鉄サリン事件の時もそれに近い思いがあったが、そんなには強くなかった。たぶん、絶対的な大きな物体である、貿易センタービルが物理的に崩れてしまったという、そのショックと、年齢を重ねての常識という縛りが強くなっていたせいかもしれない。

どうしようもなく、防ぎようもない。何とも言えない無常感と自分の無力感。そこから来る無気力な状態。そういう気持ちだった。

すべては時間が解決する。が、、多くの人の「根底」にある何かをそっくり変えてしまったのではないか。基盤といっても良いようなものを。それが回復するのは、相当な時間が掛かるだろう。

何を信じて生きていくのか？

家族・愛する人・友人・金・仕事・神・・・・

あなたのその答えは？

僕の答えは・・

もう、あれから２ヶ月半になるが、いまだに発見されない犠牲者も多い。高さ２１メートルの建物の空間が押しつぶされてたったの７，８センチになった部分もあるという。廃墟の中からふるいに掛けられて遺留品を捜すという・・・想像するたびに涙が出てしまう。