エアロビをやっている。

と聞くと、「はぁ？？エアロビってあのレッグウォーマーの？？」って思ったあなたは古い。（笑）

オトコでエアロビをやっているというとかなり奇異な目で見られる。まあ、僕もやる前はそうだったのだが、、、。今からもう１０年も前になるか、、、当時住んでいたマンションの前にフィットネスクラブが出来た。入会金無料、最初の３ヶ月間は月会費無料というのに惹かれてすぐに入ったのだった。それまで、学生時代も含めてまったく運動とは縁のない人間だったので、体を積極的に動かすと言うことはほとんど初めての経験だった。入会後、スタジオでやっているエアロビクスに目が行った。「あんな女子供のやるようなもの、やってられね〜よ」というのが最初の印象だった。女房も一緒にそのクラブに入ったのだが、ある時、エアロビに出るというので、まあ、これも経験だし、一度もやってみないでバカにするのも気が引けるしと言うことで初体験となった。

死ぬかと思った。

今から思えば初級クラスだと思うけど、まったく付いて行けなかったし、途中で息が上がってしまって、フラフラになってしまったのだ。なのに、その時のインストラクター（カワイイ２０そこそこの女の子）が笑顔のまま難なくやってのけるのが悔しかった。オトコである僕が足もガクガクになるほどだったのに・・・女に負けたのが悔しかった。

それからというもの、週２，３回、スタジオでエアロビクスがあるとなりふり構わず一番前でやり始めたのだ。

もともと運動していない身体なので、心肺能力も人よりは劣っていたはずだろう。それは僕も分かっていた。１ヶ月後、レッスン中に息が上がるのを何とかしようと思って、朝、ジョギングも始めた。

３ヶ月後、人並みになんとかレッスンにも付いて行けるようになった。

１年後、そのクラブ以外にも別のスタジオにも通うくらいエアロビにどっぷりつかっていた。

もう、１０年も続いているのが自分でも不思議なくらい。ここまで続けられるとは思ってもいなかった。

続けられたのはもう一つ別な理由がある。

イントラと僕たちカメラマンは、ある種、同じ商売だと言える。

僕は自分の商売のことを「芸者」だと思っている。贔屓のお客様からお座敷が掛かって、そこでお客様を満足させる「芸」を見せる。お客様が満足すれば、またお座敷が掛かるだろう。気に入らなければ、次からは別のカメラマンに変えられてしまう・・・そのお座敷、一つ一つが勝負の場所だと言える。

エアロビのイントラも同じで、そのレッスン中にお客を満足させないとならないのだ。気を抜いたことをやると次からはスタジオに来る客の数が減る。それが続けばその時間のイントラを変えられてしまうのだ。

お客が呼べる、常に満員のスタジオにできるイントラのレッスンは、カメラマンとしてみても、非常に参考になるのだ。逆にダメなイントラの時も。

レッスンを受けていて、自分が写っている鏡のようにイントラのお客への気配りを見る。これもエアロビが続けられた理由だろう。。

写真のイントラはここ数年では一番僕が気に入っているイントラの児玉先生だ。すでに彼女のレッスンを受けて５年になるが、未だかつて一度だって気の抜けたレッスンをやったことがない。常にスタジオの隅々まで気を配り、自分の世界を作っていく。まるで撮影スタジオを見るようではないか。

そんなことを思って、今週もレッスンを受ける僕であった。